「中国産うなぎ偽装事件」について
最近、食品偽装のニュースが相次いでいますが、また新たな偽装が発覚しました。
うなぎの産地偽装があったようです。
今年6月に発覚した中国産うなぎを愛知県三河一色産として偽装した問題は、2007年9月以降12件目です。
そのほとんどが、国内産よりも圧倒的に安い中国産や台湾産のうなぎを、国内産として偽装したのです。
また、中国産の食品に対して、消費者の不買運動により売れ行きが急激に減ったという事情も関係があるのです。
今回の産地偽装問題についても、中国産うなぎの不良な在庫を処分することで、利益を手に入れようとしたと、農林水産省は考えています。
一般的な国内産うなぎの卸値は、1キロ当たり4,000~5,000円で、一方中国産うなぎの卸値は1,800~1900円となっていて、国内産の価格は中国産の2倍以上です。
これだけ価格に差があるにも関わらず、消費者の多くは国内産を求める傾向にあります。
これまでに産地偽装が発覚したうなぎ業者のほとんどが、売り上げを伸ばす目的で偽装を行なっており、このような消費者の傾向に目を付けたのです。
今回偽装を行なった「魚秀」も同様に、1キロ当たり2,000円程度で輸入した中国産うなぎを、「一色産」と偽装して表示し、出荷の際1,000円前後上乗せすることで、多額の利益を稼ぎました。
魚秀は、「中国産冷凍餃子問題」以降の、中国産食品の不買運動によって、数億円もの在庫を抱えました。
そこで、在庫を一掃させるためと、差益を獲得する目的で、偽装を行ないました。
このような食品を扱っている一部の業界は、自分たちの利益だけを重視して、消費者の健康や命への責任をまったく感じていません。
中国ウナギ業界に悲鳴
中国福建省には、日本向けに育てられているウナギの養殖場や、かば焼きに加工する工場が集まっています。
しかし、中国のウナギ業界は、日本からの注文が急激に減っていることで悲鳴を上げています。
福建省は、かば焼きの輸出量が中国最大で、その中でも、屈指の産地として知られるのが長楽市です。
そこでは、地下水が豊富で温暖な気候に恵まれており、ウナギの養殖に最適で、養殖池が各所にあります。
長楽市のある養殖場では、日本向けウナギを加工場に出荷した量は、昨年は約100トンであったのに対し、今年は5分の1の20トンしかないそうです。
また、別の養殖場では、昨年約80トン日本向けに出荷しましたが、今年はそれを断念して、別種の大型ウナギを欧米や中国国内向けに養殖にしました。
日本向けに出荷するためには、厳しい検査を受けます。
毎月、出入検査検疫局が養殖池で検査し、禁止薬物を使用していないか調べます。
養殖場の場長は、安全性も味も自信をもっています。
福建省福清市の加工会社「福清斎翔食品」は、かば焼きの出荷量が、2001年は約4千トンあったのに対して、今年は1千トンを割る見通しです。
生産ラインも2本あるうちの1本は、去年から動いていません。
人民元高や原油の高騰などにより、輸出に不利となる状況も続いています。
「福清斎翔食品」の社長は、ほとんどの中国産食品の安全性を訴え、ごく一部の悪質企業によって、中国食品全体が打撃を受けるのは不公平だと不満をもっています。
台湾産ウナギの品質PR
昔から日本では、「土用の丑」といえば、うなぎを食べる風習があります。
しかし、最近発覚した、国産ウナギとして産地の偽装をしていた事件によって、出荷の最盛期であるはずの台湾産ウナギは苦境にたっています。
7月18日、日本と台湾のウナギ業界団体は、記者会見を共同で行い、台湾産ウナギは安全で、品質もとても良いことをPRしました。
そこで、日本鰻輸入組合の副理事長は、台湾産のウナギは日本のものとほとんど品質に変わりはないことを、強く訴えています。
台北国際空港の近くにある出荷場では、7月24日の「土用の丑」に向け、出荷作業が毎日慌しく続けられています。
台湾産のウナギは、品質検査を二重に行ったうえで、氷の入った水の中に入れて仮死状態にし、鮮度を十分保った状態で、日本へ輸出されています。
台湾産ウナギは、日本では、専門の料理屋などで使用されます。
最近日本では、ウナギの幼魚を台湾などへ輸出して、輸出先でウナギを育て、日本へ逆輸入するという「里帰りウナギ」が問題視されています。
「里帰りウナギ」の目的は、育ちの良くない日本の幼魚を、台湾などで、自然の状態に近い環境で上手に育てることです。
しかし、日本へ逆輸入する際に、日本のウナギ業者によって、「国産ウナギ」として偽装されていた事件で、悪いイメージになっています。
これにより、「里帰りウナギ」は「輸入品」として扱われています。
台湾の養鰻業界の狙いは、台湾産のウナギの9割を日本に輸出して、これからブランドとして日本で浸透させます。