「餃子中毒事件」による消費不況
冷凍餃子から猛毒の「メタミドホス」が検出された事件により、大手の外食チェーンなどが、中国製食品や加工品を使用することをやめるようです。
そのことにより、店によっては、提供することができないメニューが出ています。
また、同じ様なメニューを再開する際に、国産の材料を使用することになれば、コストがそれまで以上にかかるのです。
その増加したコストの分を、店側が価格を据え置きすることで負担するのか、値上げをしてお客側が負担するのか、という選択をしなくてはなりません。
価格を据え置きすると、もちろん店の業績はマイナスになります。
しかし、価格を上げたとしても、外食を控える客が増えてくる可能性もあるので、外食産業にとってはどちらにしても痛手なのです。
この餃子中毒事件は、いまだに解決してませんが、調査を進めていくと、冷凍餃子を製造した後に、殺虫剤「メタミドホス」が何者かによって混入されたのでは、という見解が強いようです。
そのことを受けて、物流会社や輸入業者などに対するチェック体制が、より厳格に求められます。
それにかかるコストの負担は、非常に大きくなると考えられます。
実際に、輸入されてくる食品が日本で消費するまでには、それが製造されてからいくつもの検査が行なわれます。
それなのに、餃子の包装袋に抜け穴が見つかりました。
輸入に関わる商社や卸業者、物流業者などは、さらに厳しい商品管理を強制されることになるようです。
また、関係する企業は、そのためのコストを負担することで、業績を圧迫しかねない状況となります。
客の外食離れや、物流関係会社の業績が低迷することで、日本の景気にも大きな影響を与えることになるのではないでしょうか。
日本農業にとって「餃子中毒事件」は朗報?
「餃子中毒事件」は、国内の農業や水産業の関係者にとっては、朗報ともいえるでしょう。
この事件は、消費者がこれまで以上に「食の安全」について、意識し始めるきっかけになりました。
そして、肉や魚、野菜や果物など、国産のものを積極的に選ぶという動きは、日本農業にとっては、とても喜ばしいことのようです。
とくに、地域でブランド化している農産物や水産物については、価格がさらに上がるでしょう。
しかし、地域産のブランドだけに、集中して消費者が買い求めることはないでしょう。
安価で安全な品質の食材を、求める動きも出てくるでしょう。
地域産の農産物や水産物は、その地域で消費するという「地産地消」が促進されるかもしれません。
もうすでに、地元で採れた野菜などを、学校給食で積極的に使用している地域もあるようです。
ただ、食品対する消費者の眼は、かなり厳しくなっています。
国産といっても、衛生管理においてはそれまで以上に追求され、次々に発覚する偽装事件も見て見ぬ振りできません。
そのことから、全ての農業や水産業関係者が、必ずしも朗報とは言い切れないのです。
また、株式会社が農業に進行してくる動きも出てきます。
低価格の中国産食品を使用できなくなったことで、「農業の株式会社化」を行なうことで、食材を自社で作り、コストの削減を図ります。
ワタミなどの外食企業、メルシャンなどの飲料メーカー、キューピーやカゴメなどの加工食品メーカーが、すでに農業に参入しているようです。
「餃子中毒事件」や数々の偽装事件によって、さらに「食の安全」について追求されることになり、消費者が商品を選択する眼はより厳しくなるでしょう。