「猛毒餃子事件」について
生協で販売されていた餃子の冷凍食品を食べた人が、その後薬物中毒を起こして、体調不良を起こしたというニュースは、日本中に衝撃でした。
その原因は、中国の企業である「天洋食品」が製造し、「ジェイティフーズ」というJTの子会社が輸入した餃子の冷凍食品に、「メタミドホス」という薬物が混入していたからです。
この「メタミドホス」とは、農作物の害虫であるアブラムシなどを駆除するために使用される農薬です。
メタミドホスはかなりの劇薬で、もし、体重50Kgの人がメタミドホス1.5gを摂取すると死に至ります。中国においても、最近使用が禁止となりました。
そんな劇薬が付着していた冷凍餃子を食べた後に、けいれんや嘔吐、下痢などの症状が現れて、病院に運ばれたのです。
この事件は、通常では混入するはずのない劇薬が、食品に含まれていたということで、大きな衝撃でした。
ところが、さらに深刻だったのは、冷凍餃子を販売していた生協とジェイティフーズが、食中毒が発生した事実を1ヶ月ほど公表しないで、第二被害、そして第三被害者まで出したことです。
この事件による被害者は当初10人でしたが、その後どんどん増えていき、翌日の夜には400人を超える被害が出たと発表されました。
この「猛毒餃子事件」は、安全で安心できる食を届ける、と謳われている生協が発端となっていることで、生活者である消費者に対して、計り知ることができないほどの不安を抱えることになりました。
「猛毒餃子事件」による影響
今年1月に起きた「猛毒餃子事件」は、消費者にとって、食の安全性に対する不安が最高潮になるような、大変ショッキングなニュースでした。
しかし、大きな影響を与えられたのは消費者だけでなく、販売するスーパー側にも、大きな痛手でした。
スーパーでは、通常、赤字を覚悟した目玉商品を用意することで、お客さんを集客しようとします。
そこで目玉商品として頻繁に利用されているのが「冷凍食品」なのです。
冷凍食品を目玉商品とする理由は、ほとんどが日持ちするもので、まとめ買いをするのに最適だからなのです。
そのため、スーパーは儲けとは関係なく、冷凍食品を40%や50%といった大幅な値引きを行うことで、お客さんを集めることにしていたのです。
ところが、この「猛毒餃子事件」によって、冷凍食品の安全性が問われることなり、冷凍食品の販売を妨げました。
調査によると、あるスーパーでは、事件が発覚した翌日には、冷凍食品の売り上げが、2週間前と比べて34%も下がりました。
この事件では、どのようにして「メタミドホス」という猛毒の薬物が混入したのかなど、いまだに真相が明らかではありません。
そのことが、消費者に大きな不安を与え、冷凍食品全体を避けさせています。
スーパーにとって、販売促進の強い味方であった冷凍食品を失うことは、マーケティングにおいて、大変なダメージになりました。