「船場吉兆」のあきれた偽装
大阪市の高級料亭である「船場吉兆」は、食品の偽装表示や料理の使い回しが問題になりました。
その結果、湯木社長は2008年5月28日に大阪で記者会見を開き、廃業を決定したと発表しました。
船場吉兆は、1月に営業を再開した際には、予約が順調に増ました。
ところが、5月上旬に客が食べ残した料理を、別の客に使い回して出していたことが発覚し、予約のキャンセルが相次ぎ、客が急速に離れたのです。
その後、さらに8品目の料理の使い回しが発覚し、客も3分の1に減りました。
女将も務めている湯木社長は、食の安全と安心に対する信頼を裏切ったことを謝罪し、営業をこれ以上継続していくことは困難だと判断したのです。
記者会見で湯木社長は、すでに発覚していた6品目の使い回しのほかに、新たにわかった8品目の使い回しも、10年以上も前から行なわれ続けていたことをあきらかにしました。
船場吉兆の偽装は、福岡市にある百貨店「岩田屋」の店舗で販売されていた一部の菓子が、消費期限切れであったことが、2007年10月28日に判明したことが始まりです。
岩田屋にある「吉兆天神フードパーク」は、「吉兆」グループの「船場吉兆」が運営していました。
売れ残った「黒豆プリン」など5種類の菓子を、毎日ラベルを張り直すことで、消費期限や賞味期限の偽装表示をしていたのです。
その後11月には、吉兆本店などで、牛肉・鶏肉を偽装表示していたことが発覚しています。
また、料理に使用している牛肉を産地偽装していたことも判明。
そして、全店で料理の使い回しが発覚し、廃業へ追い込まれたのでした。
「船場吉兆 使い回し事件」から学ぶこと
「船場吉兆」で料理の使い回しをしていた事件を受けて、飲食店で働いている人と、消費者を対象としてアンケートを実施した結果、驚きの実態がわかりました。
飲食店で働いている100人に、「料理を使い回した経験がある」と回答した人は、全体の15%を占め、「刺し身に添えるツマなどを使い回した経験がある」と答えた人は、なんと21%にものぼったのです。
さらに驚いたのは、消費者200人を対象にしたアンケートの回答です。
「飲食店において、手をつけていない料理を使い回していると思うか」という問いに、「そう思う」と答えた人は全体の86.5%で、「刺し身に添えるツマなど」に関しては、なんと93.0%もの人が「使い回しを行なっていると思う」と答えているのです。
飲食店での刺し身のツマやパセリの使い回しは、昔から消費者の間でも、噂になっていたことです。
ところが、偽装が立て続けに起こっている近頃では、消費者は使い回しの実態よりも、そのような行為は、どの飲食店でも当然やっていると思っているのです。
「使い回し」が公になった直接のきっかけは「船場吉兆」の事件ですが、それを当然のように行なってきた多くの飲食店にも原因があるのです。
捨てるのはもったいないから、わからなければ問題ない、などと考えて、使い回しを行なっている飲食店は少なくないのです。
「船場吉兆」の事件をきっかけとして、まだそのような古い考えの飲食業界に対して、厳しく改善を求めて行かなければなりません。