「トラフグ偽装事件」について
山口県下関市にある水産加工会社「エツヒロ」では、中国から輸入養殖されたトラフグを「国産トラフグ」として偽り、販売を続けていた疑いがあり、農林水産省が立ち入り調査を行なっていました。
首都圏や近畿圏、中国や四国地方の大手スーパーや百貨店などに納入していました。
7月23日、農林水産省は、日本農林規格法違反としてエツヒロに対して、改善指示を出すことに決めました。
農林水産省によると、エツヒロは2008年3月~6月に、中国から輸入養殖のトラフグやシロサバフグ、アンコウ計約5トンを切り身や刺し身などに加工していました。
そして、トラフグは養殖の産地である「熊本県産」とし、シロサバフグは水揚げの盛んな「山口県産」として虚偽表示をし、販売していたのです。
関係者から情報提供を受けたことで、農林水産省は7月7日~15日に、下関市のエツヒロ本社や長門市にある工場など3カ所において、計5回の立ち入り検査がおこなわれました。
エツヒロはフグを、東京都内にある水産商社から輸入していて、取り扱っていたフグの大半が中国産でしたが、これまでほとんど「中国産」と正確に表示して、販売しませんでした。
エツヒロは産地偽装が常態化していた可能性が高いと、農林水産省はみています。
エツヒロは、1985年に創業して、生鮮魚介卸売においては県内中位です。
フグの刺し身や鍋物用などの加工品は主力商品で、大手百貨店やスーパー、生協などに納入していました。
2004年度に約4億2千万円まで売上高が落ちていましたが、07年度には約6億円の売上高まで伸ばしていました。
クエの偽装
高級魚である「クエ」に外観が似ている「アブラボウズ」は、クエを特に貴重なものとして扱われている西日本の地域で、偽装表示事件が増えています。
2008年3月には、大阪府の卸売業者「矢崎鮮魚店」が、アブラボウズをクエに偽装したことで、日本農林規格法に違反したとして、改善勧告を受けました。
そのほか、福岡県の料理店においても、偽装の疑いがあるとして捜査されています。
近年では、クエの人気が高まっていることに伴い、高値になっています。
そのことから、クエよりも安いアブラボウズが流用されているようです。
ただ、超高級魚と言われるクエですが、決してアブラボウズも安い魚ではなくて、高級魚として扱われています。
このことから、それ相応の高級魚を代用しているのだからと、偽装している業者は、罪の意識を感じていないようです。
しかし、1キロあたりのクエの卸売り価格は3000~1万円程度するのに対し、アブラボウズは700~1500円程度です。
また、クエを食す消費者は、淡白で深い味わいの白身を求め、アブラボウズを食す消費者は、甘みのある脂のよく乗った白身を求めているのであって、消費者のクエとアブラボウズ対するニーズは全然違います。
クエを扱っている業者などは、そのようなことを忘れないで欲しいです。
「クエ」は、西日本以西の海底に生息するハタ科の大型魚で、体長1メートルを超える大物もいます。
高級食材として扱われており、刺し身や鍋料理で食べられます。
一方、「アブラボウズ」は、本州中部以北の深海に生息するギンダラ科の大型魚で、体長3メートルという大物もいます。
煮つけやしゃぶしゃぶで食べられますが、脂を多量に含んでいるので、食べ過ぎると下痢などの症状を表します。