BSE問題から家族を守る
肉に関わる偽装は、ブランド地鶏に偽ったブロイラーから、牛肉の産地偽装まで多岐に渡ります。
鶏肉の産地偽装やブランド地鶏として偽装した問題は、決して許されることではないですが、命や体に大きな悪影響を与えるケースは少ないかもしれません。
しかし、牛肉においては、未だ解決に至っていないBSE問題があります。
この問題に関しては、だまされてがっかりするだけではなく、命の危険性に関わることなので、神経質になるべきです。
だからといって、すべての牛肉が危険なのではありません。
安全を第一に飼育を行なっている牧場も、もちろんたくさんあります。
最近では、牛が生まれてから出荷されるまで、飼育されてきた記録を確認できる「トレーサビリティ」というシステムが提供されています。
また、飼育中に使用された薬の種類まで、明確に知ることができるので、豚肉や鶏肉はもちろん、特に牛肉に関しては、トレーサビリティによって詳しい情報を知ることができるものを買うようにすると良いでしょう。
それでは、少しでも、食品偽装から大切な家族を守るポイントを挙げます。
・まず、極端に安い食品は、どうしてそんなに安いのかをよく考えてみて、不安に感じる場合は買わない。
・できるだけトレーサビリティを提供している食品を購入。
・生産者の顔がわかったり、連絡先が書かれていたりするものを購入。
・表示を確認して、添加物が多く含まれているものは避ける。
・ブランドだから安全であるとは限らないので、ブランド名だけに振り回されない。
・なるべく、加工品は避けて手作りにし、素材から安全なものを選ぶ。
・新聞やニュースなどから、食品偽装に関する情報をこまめにチェックする。
これを守れば絶対に大丈夫というものではありませんが、これらを気にしているだけでも、必ず違いが出ると思います。
大切な子どもさんや家族を守るためだと思って、今日から始めてみましょう。
食品偽装から子どもを守る
次々と発覚する食品偽装事件によって、私たちは食の安全性について鈍感になっています。
しかし、それは大変危険なことで、とくに子どもさんがいる家庭では、いつでも食に対して、敏感であって欲しいものです。
最近の食品偽装事件を振り返ると、大きく二つに分けられます。
一つは食肉に関わる偽装で、もう一つは加工品に関わる偽装です。
野菜や魚、米やパン、めん類など、主食系の食品については、食品偽装事件が逆に少ないようです。
たいてい魚や野菜は、丸ごとの状態で売られているので、偽装が難しいのです。
加工品を控えて、そのような食材をなるべく使って、調理するように心がけましょう。
日本人は、食品だけでなくブランド志向の人が多いようです。
もちろん老舗ブランドの信頼は、ほとんどの場合ですばらしく、商品も期待を裏切らず、とてもおいしいものばかりかもしれません。
しかし、最近相次いで起こった事件を振り返ると、必ず大丈夫だと思っていた老舗でも、信頼を裏切るような事件を起こします。
また、特徴的だったのが、偽装が発覚した商品の多くが加工品です。
これから、このような事件が起こらないことを願いたいのですが、これだけ多くもの会社で発覚するということは、他でも行なっていると疑いたくなります。
そうなると、消費者側が安全な商品を選択するしか方法はないのです。
すべての店に疑いを持つ必要はないのですが、ブランドや老舗だからと過信しないようにしましょう。
毎回買う前に、本当に大丈夫か気をつけることです。
また、子どもさんのおやつに関しては、お母さんが安全な素材をそろえて、手作りしたおやつを与えることも、偽装食品から大切な子どもさんを守る方法の一つなのです。
内部告発するべきか?
石屋製菓や赤福、ミートホープ・・・賞味期限や産地の偽装が相次いで発覚しています。
特に、有名な高級料亭である「船場吉兆」でも、10年以上も前から偽装が行なわれていたという事実は、驚きです。
また、九州産の牛肉を高級肉とされる「但馬牛」や「三田牛」と偽装していた事件や、ブロイラーを「地鶏」と偽装していた事件もがっかりです。
このような偽装を行なっていた経営者は、事実を認識していたり、指示していたりしながら、偽装が発覚すると、その責任を従業員や仕入れ先など、弱い立場の人に押しつけて、自分は関係ない、という態度とる映像を目にします。
このような会社の不祥事は、社内で秘密にされることがほとんどで、表に漏れることは少ないのですが、最近では、内部から告発されることで発覚する場合が目立っています。
この背景には、2007年4月に、「公益通報者保護法」が施行されました。
消費者をだます行為は絶対に許せないので、内部からの勇気ある告発はとても大きな意味があります。
しかし、偽装に関する重要な情報を確認できても、社内でその重大性を認識できていなければ、内部告発をしても良い結果に結びつきません。
たとえば、北海道土産で有名な「白い恋人」の石屋製菓は、賞味期限の改ざんを告発する内容のメールを、担当部長が放置していたことで、事態が悪化したのです。
「公益通報者保護法」ができたからといっても、告発者が悲惨な扱いをされるのならば、なかなか勇気を出して声を上げることは難しいことです。
内部告発は必ず公益につながるので、法律によって、告発者にリスクを与えないように、もっと工夫していくべきです。
食品表示を規定する法律
食品表示について規定する法律は4つあり、その目的もそれぞれ異なって制定されています。
また、所管する官庁も異なっていて、それぞれで監視しています。
「日本農林規格(JAS)法」は、所轄している官庁は農林水産省です。
農林物資の規格を適正に制定し、農林物資の品質を改善したり、生産の合理化を図っています。
また、取引の単純公正化と使用、そして消費の合理化を図り、農林物資の品質について、正しい表示を促すことによって、一般消費者が選択することができるようにし、公共福祉の増進に貢献することを目的として制定されています。
対象はすべての飲食料品です。
「食品衛生法」の所轄官庁は、厚生労働省です。
食品衛生法とは、飲食することによって起こる危害が、発生しないように防止する法律です。
食品、添加物、器具容器の検査や表示などの原則を定めています。
食品の安全性を確保するために、必要な規制を企てることで、飲食することで生じる衛生上の危害が発生しないように、国民の健康を保護することを目的にしています。
対象は、表示が必要となる食品と食品添加物です。
「景品表示法」は、公正取引委員会が所轄しています。
広告表示や景品付の販売ルールを定めており、不当表示や景品類の過大な提供を規制し、公正な競争を維持できるようにしています。
それにより、消費者が商品やサービスを正しく選択できるように守っています。
対象は、顧客を呼び込むための景品と、そのような表示に関してです。
「不正競争防止法」は、経済産業省が所轄官庁です。
不正競争防止法とは、他人のデザインなどを不当に流用したり、営業秘密を窃盗したり、それを不当に利用したり、原産地などを不正に表示したりすることを防止し、事業者間で公正な競争をできるよう促すことが目的です。
対象となるのは、商品や広告、サービスです。
商品の原産地、品質や内容などについて、不当な表示をしている場合は、不正競争行為に該当します。
「船場吉兆」のあきれた偽装
大阪市の高級料亭である「船場吉兆」は、食品の偽装表示や料理の使い回しが問題になりました。
その結果、湯木社長は2008年5月28日に大阪で記者会見を開き、廃業を決定したと発表しました。
船場吉兆は、1月に営業を再開した際には、予約が順調に増ました。
ところが、5月上旬に客が食べ残した料理を、別の客に使い回して出していたことが発覚し、予約のキャンセルが相次ぎ、客が急速に離れたのです。
その後、さらに8品目の料理の使い回しが発覚し、客も3分の1に減りました。
女将も務めている湯木社長は、食の安全と安心に対する信頼を裏切ったことを謝罪し、営業をこれ以上継続していくことは困難だと判断したのです。
記者会見で湯木社長は、すでに発覚していた6品目の使い回しのほかに、新たにわかった8品目の使い回しも、10年以上も前から行なわれ続けていたことをあきらかにしました。
船場吉兆の偽装は、福岡市にある百貨店「岩田屋」の店舗で販売されていた一部の菓子が、消費期限切れであったことが、2007年10月28日に判明したことが始まりです。
岩田屋にある「吉兆天神フードパーク」は、「吉兆」グループの「船場吉兆」が運営していました。
売れ残った「黒豆プリン」など5種類の菓子を、毎日ラベルを張り直すことで、消費期限や賞味期限の偽装表示をしていたのです。
その後11月には、吉兆本店などで、牛肉・鶏肉を偽装表示していたことが発覚しています。
また、料理に使用している牛肉を産地偽装していたことも判明。
そして、全店で料理の使い回しが発覚し、廃業へ追い込まれたのでした。
「船場吉兆 使い回し事件」から学ぶこと
「船場吉兆」で料理の使い回しをしていた事件を受けて、飲食店で働いている人と、消費者を対象としてアンケートを実施した結果、驚きの実態がわかりました。
飲食店で働いている100人に、「料理を使い回した経験がある」と回答した人は、全体の15%を占め、「刺し身に添えるツマなどを使い回した経験がある」と答えた人は、なんと21%にものぼったのです。
さらに驚いたのは、消費者200人を対象にしたアンケートの回答です。
「飲食店において、手をつけていない料理を使い回していると思うか」という問いに、「そう思う」と答えた人は全体の86.5%で、「刺し身に添えるツマなど」に関しては、なんと93.0%もの人が「使い回しを行なっていると思う」と答えているのです。
飲食店での刺し身のツマやパセリの使い回しは、昔から消費者の間でも、噂になっていたことです。
ところが、偽装が立て続けに起こっている近頃では、消費者は使い回しの実態よりも、そのような行為は、どの飲食店でも当然やっていると思っているのです。
「使い回し」が公になった直接のきっかけは「船場吉兆」の事件ですが、それを当然のように行なってきた多くの飲食店にも原因があるのです。
捨てるのはもったいないから、わからなければ問題ない、などと考えて、使い回しを行なっている飲食店は少なくないのです。
「船場吉兆」の事件をきっかけとして、まだそのような古い考えの飲食業界に対して、厳しく改善を求めて行かなければなりません。